Therion Interview with Christofer Johnsson
Therion の長きに渡る活動の中で、クリストフェル ユンソンのみが結成当初からのメンバーとなった。
ニューアルバム" Secret Of The Runes "を携え、Therion は南米ツアーを開始したところである。ヨーロッパ公演もまもなく始まるであろう。
私はクリストフェルと話をするチャンスを手に入れ、彼は新しいアルバムとツアーについて語ってくれた。メタルど同様にクラシック音楽を愛する彼は、Therion
の近況を語ってくれた。
- クリストフェル、ニューアルバム" Secret Of The Runes "が10月に発売されましたね。これについてどう思いますか?
今までの中でのベストアルバムだと思うけれど、特に意外なことではないよ。俺たちは前作より良い出来でないとアルバムをリリースすることはないからね。俺たちは納得がいくまでスタジオから離れないんだ。まぁ、ベストかどうかはあくまでも俺たちの意見だけどね。
それに、今回は初のコンセプトアルバムでもあるんだ。テーマは北欧神話で、9つの世界を抱えている世界樹ユグドラシルを中心とした9つの世界について歌ったもので、曲のタイトルはその世界の名前なんだ。そして、これにはちゃんと序章と終章もある。序章は" Ginnungagap"と言って全てが生み出された場所だ。この虚空間で炎と氷がぶつかり、融合され世界が創造されたんだ。 ビッグバンみたいなものだね。でも北欧神話ではこうなんだ。そして終章の"Secret Of The Runes"はこのコンセプトの核になる曲だ。これはオーディンがユグドラシルから自らを吊るした時のことが描写されている。彼は9つの世界を旅し、ルーン文字を発見したんだ。ルーンという言葉は「秘密」という意味なんだ。スウェーデン語ではルナが秘密になるけれど。だからこのタイトルは「秘密の秘密」っていう解釈も可能なんだ。
- どのようにしてこの複雑な物語からアイディアを得たのですか?
ある日、目が覚めて起き上がってみたら、北欧主題のコンセプトアルバムを作ってみたい気分だったんだ。もし、2年前に誰かが、歌詞の1/3から半分がスウェーデン語のコンセプトアルバムを作れるかって聞いてきたら、それは無理だって答えていたと思う。でもある日、丁度目が覚めたときに、こうした考えが浮かんだんだ。
- 昔のアルバムのテーマはドラゴンでした。あなたはファンタジーや神話に興味があるようですね。
ファンタジーより神話だね。神話の中でドラゴンは人間以外で一番お馴染みのキャラクターだろ?それにドラゴンは、常に叡智と古代魔術と創造の象徴だから、創作のシンボルとして選ぶことはとても論理的なことだったんだ。
- 常に神話に興味があったと?
過去10年間はこういった神話に関連したオカルトっぽいものに興味があったね。俺は常に何かに興味を持っているんだ。幼稚園の頃は、よく先生に宇宙や他の惑星、恐竜についての本を読んでくれるようせがんでいたよ。なんでかは判らないけれど、何か不思議なものに興味を惹かれるんだ。
- ニューアルバムへ話しを戻しましょう。ラインアップは" Deggial " と同じ顔ぶれですか?
ああ、これはパーマネントのラインアップだからね。このアルバムではサウンドがより、バンドらしく聴こえるはずだ。皆も今回は結構馴染んでいたようだし、彼らのポジションも確固たるものになったからね。それに" Deggial "を一緒に製作してみて、彼らは任せらる人間であることが判ったから、このアルバムでは自由にやってもらうことにしたんだ。特にドラムは、このアルバムでやりたかった事が基本的にできたはずだ。
- クワイアやクラシック奏者はどうでしょうか?彼らも前作と一緒ですか?
いや、完全に違う。このニューアルバムはスウェーデンでレコーディングされたんだ。普段はドイツでやるんだけれど、北欧がテーマのアルバムをドイツの工業都市でレコーディングするのはどうかな、って思ったんだ。それに歌詞のいくつかはスウェーデン語で書かれているから、ドイツ人の歌手が歌うには少し無理があったんだ。クワイア全員をスウェーデンからドイツに連れて行くのもコストがかかるしね。だからスウェーデンでレコーディングすることにしたんだ。
このアルバムは最新技術を用い、64トラックを使ったんだ。それから、満足のいくスタジオを探しだすことができなかったから、自分達でスタジオも作ることにしたんだ。これは思ったほど簡単ではなくて、建設には何ヶ月もかかったよ。
- では今後はそのスタジオで作業をするのですね?
そうだといいけどね。十分事足りるって意味でね。俺はアルバムごとにオーケストラの規模を大きくしているからね。今回のアルバムには完璧だったけど、もし、今俺が考えているような、オーケストラを倍にするようなことにでもなれば小さすぎるな。でも部分的に機材を使うことはできる。
これは個人のスタジオなんだけれど、年間で何組かのバンドに対しては使用することを許しているんだ。俺たちのドラマーは他のバンドとも演っているし、次のTherion のアルバム製作を開始するまではまだ時間があるだろうしね。それまでは、他のバンドと一緒に使うことになるだろう。ま、どうなるかは判らないけど。
それから、今回はプロデューサなしで、自分達でプロデュースしたんだ。それに揮者もいなかったから、俺自身でオーケストラとクワイアを指揮したんだ。だからこのアルバムは、とても個人的で手作りなものと言える。スタジオでさえ、自分達の手で作ったという意味でもね。アルバムとしてこれほど Therion らしく聞こえるアルバムはないよ。これが俺たちなんだ。
- " Lepaca Kliffoth " と " Secret Of The Runes "を比べてみると随分と違いますが、将来的にはどのような音楽性を考えていますか?
" Vovin " と比べてもらっても同じことが言えるはずだよ。 " Secret Of The Runes "を聴いてみれば、これがヘヴィなものであることが判るはずだ。ベースでさえ、ディストーションしたからとてもノイジーなんだ。それに比べて "Vovin "は。。。なんて言うのかな、とてもクリアで洗練されている。うまく言葉で言い表せないな。例えば、 " Birth Of Venus Illegitama " はとても聴きやすいだろう。ニューアルバムではクワイアが歌違う歌詞を同時に歌うなど、合唱の構成が非常に複雑なんだ。
" Nifelheim " (アルバム8曲目)は、今までにない全てがストレートで聴きやすい曲になっている。将来的な話に関しては、Therion の各アルバムは全て違ったものになるだろう。クラシックやクワイアのアレンジについては、まだ探求してみたいことが沢山ある。俺は2度とバンドのリードシンガーになることはないね。これは確かなことだ。昔のようなスタイルに戻ることもないだろう。単に「戻る」ってう言い方は好きではないな。 俺は昔のアルバムに誇りを持っていて、それらが好きではないって意味ではないから。俺は単に新しいことがやりたいだけなんだ。じゃあ、その新しいことは何なんだ?って言われると答えるのが難しいな。何故ならソングライティングはそれ自体が意思を持っていてるからなんだ。机にむかって「さあ、これをやろう、あれもやろう」っていう訳 じゃないからね。どうなるかなんて、誰にも判らないよ。ひょっとしたら、ハープのみで演奏したアルバムができるかもしれないしね(笑)。
次の2、3枚でやってみたいことは考えられる。それは新しいオーケストレーションやオペラの要素を取り入れることなんだ。これを今、具体的にイメージするのはとても難しいけどね。管弦楽はとてもユニークで、多くの楽器が色んな形で使われているんだ。ギターが中心のバンドでは、ある意味やれることに限界があるよね。ほとんどの事がやりつくされているし、メタルで遣り残されている物は何だろう? Therion に何ももたらすことがなくなったら、俺はクラシックと オペラの作曲に専念するこになるだろうね。
- " Secret of The Runes " では以前のアルバムで使ったことのない楽器を使いましたか?
いっぱいあるよ。一般的なところで言えばトロンボーンだね。あとはピッコロとアルトフルートを使った。これはとても珍しいもので、普通のフルートより音が低いんだ。バスとイングリッシュホルンも初めての試みだった。それからコントラバス。これもとても珍しく、音が低くとても高価で何千ユーロもするんだ。だから借りることにした。
他で珍しい楽器といえば、ワーグナーチューバかな。これはワーグナーのオペラ用に作られた楽器だがら、多くの人が使う物ではないんだ。シュトラウスぐらいが使っていたかな。これは基本的にワーグナーの為の楽器だから、ワーグナーチューバと呼ばれるんだ。これは偶然使うことになったんだ。フレンチホルンを使ったときに、奏者にどのように演奏するか聞いてみたんだ。フレンチホルンの演奏はちょっと難しいからね。で、俺はワーグナーの大ファンだったから、 彼にワーグナーチューバを知っているかどうか尋ねたんだ。そしたら「演奏するよ」って言うんだよ。俺はもう「ええ!なんだって!?」っていう感じでね(笑)。 この楽器は7000ユーロ以上するから、彼は自分自身で所有はしていなかったんだ。でもロイヤルオペラが何台か所有していて、それを借りることになったんだ。ちょっとした余興で試してみたけど、素晴らしいサウンドだったよ。 これはタイトルトラックで聴くことができるよ。とにかく素晴らしい経験だったよ。
- 次のツアーではどのようにして全てを演奏するつもりですか?
俺たちはオーケストラを連れてツアーにでたことはないんだ。1988/99の Vovin ツアーの時に2度オーケストラがついたけれども、それは多くの楽器を必要としなかったからなんだ。 " Deggial "ではより多くの楽器を使用したし、今回はそれに加えて珍しい楽器を使ったから、ライブでオーケストラを用いるチャンスはまずないだろう。誰も俺たちの為に多額の費用を負担しないだろうしね。 だからテープを用いるしかないんだ。でもアルバムと同じ音源を、最先端のシステムで使用するから音質はいいんだ。クワイアに関しては、" Deggial "のツアー以来、最低6人のクワイアを連れてツアーをして いる。数がこれ以下になることはまずないと思うよ。俺たちにはリードシンガーがいないから、クワイアはとても重要なんだ。 そりゃ、昔の曲をやる時には俺が歌うけれど、90%の歌にはリードシンガーがいない。Wacken フェスティバルでは予算があったから、8人ものクワイアがいたけれど、次のツアーでは6人になると思うよ。
- では最後に読者へ一言
ツアーではできるだけ多くの人に会い、再び大成功を収めたいと思っている。ツアーは南米から始めて、今までに行ったことのない国にも行く。 勿論、以前訪れたことのある国にも行くよ。俺たちの昔のアルバムも新しいアルバム同様に受け入れられているから、昔の曲も演ろうと思っている。それに Tilburg (オランダ南部の都市) で演奏するのを本当に楽しみにしているよ。前回そこでプレイした時は、1400の人が見に来てくれたんだ。これは本当に驚きだった。以前のライブの観客数は1100人だったからね。 オランダでのファンが増えているみたなんだ。今回のツアーでもっと多くの集客ができれば、素晴らしいことだと思う。俺たちは今までの記録を塗り替えられるよう全力を尽くすよ。
この記事はRockezineに掲載されたものを翻訳しました。
