Parents Borrrows Therion Albums from their Children

先週の月曜、Nuclear Blast は Therion の2枚組みニューアルバム "Lemuria/SiriusB "をリリースした。この100分以上に渡る、メタルと壮大な交響曲とオペラがミクスチャーされたアルバムは、スウェーデン出身のこのバンドのベストアルバムであることは間違いないであろう。 昨日の21時45分にバンドの中心人物である Christofer Johsson からインタビューの為の電話があった。 このインタビューで、我々はChristoferの興味のあること、クラシック音楽、ワーグナー、神話について語った。また話をそれだけに終わらず、Boney M, マリ共和国のドゴン族、イスラム少数派ヤジーディーにまで及んだ。

- 私の意見になりますが、今回のアルバムで最も印象深かったのは、メタルと、壮大なシンフォニックオペラのバランスです。このバランスの良さはかつてないものだと思いますが、どうでしょう?

Christofer:そうだね。今回は全てが意図されたように行われたんだ。以前は、各セクションを別々にレコーディングしていたんだ。初めは弦楽パート、次は金管、そして........って感じでね。このやり方にはいくらかの利点がある。各セクションに対してコントロールが利くなどね。 でも、今回の作曲の仕方では、これらを自然なやり方:大きな音響効果の中で調和しなくてはいけないと思ったんだ。 "Three ships of Berik" ではこのやり方が必要だったし、"Blood of Kingu" なんて特にね。同時に、今回は数や決定事項に関して、なんら妥協することがなかったんだ。

以前のレコーディングでは、例えば、同じ弦楽器のパートを3度も録って、重ね録りしたり、両スピーカーごとに、一つづつ、そして中央のスピーカーにも一つ置いて、サウンドを大きくしたりしていたんだ。でも今回は、全く妥協することがなく、ワーグナーサイズのオーケストラを使用したんだ。バイオリンが2×16の32名からなり、ホルンは8人。その中の4人はワーグナーチューバも演奏した。これはワーグナーがニーベルングの指輪でやったやり方だ。他にもこういった感じのことを行ったよ。

このアルバムでは本物のパイプオルガンが使われたんだ。アルバム "Deggial" に収録されている " Via Nocturna " はパイプオルガン用に書かれた部分があるんだけど、教会の使用許可を取ったり、音を紙に書き写したりするのが難しくって、サンプルを使用したんだ。 今回、俺はオルガン奏者と一緒にスウェーデン国内の3つの教会に行ったんだ。そこで彼は違った種類のオルガンがどのように演奏されるか見せてくれた。俺が持ってきたいくつかの曲も弾いてくれたから、本物のオルガンで演奏されるとどうなるか聴く事ができたんだ。彼はどこで引いたり、推したりするかペダルやボタンの使い方も説明してくれた。こういうことを書物から見出すことは難しいんだ。何故なら、教会が内部向けとオルガン奏者用の文献として書いてるからね。 結局、俺達はコペンハーゲン(デンマーク)の一番古い教会のオルガンを借りることにしたんだ。このアルバムのパイプオルガンをレコーディングした場所には本当に素晴らしいオルガンがあったんだ。

他にも沢山話すことがあるよ。例えば、俺達が5弦のコントラバスを使ったことなどね。これは何処のバンドも試していないと思う。俺達はベートーベンのウィーン時代に使われた、特別なコントラバスを使ったんだ。俺が知っている一番古い記録では、この楽器はベートーベンの交響曲第6番に使われているよ。

- あなたはワーグナーからの多大な影響を受けているそうですが、北欧出身の作曲家、グリーグについてはどう思いますか?

グリーグは素晴らしいね。彼の音楽は好きだな。俺がこの手の音楽を聞くときは広範囲にわたって色んな作曲家のものを聞くんだ。 インスピレーションに関しては、ワーグナーには火のようなものが、一緒に融合した他の誰にもない物があるんだ。俺はワーグナーのヒロイックオペラのようなドラマティックなものが好きなんだ。

プロコイエフの『炎の天使』のようなロシアのオペラもいい。これは少し現代的だけどカッコいいね。テーマもオカルトだし。でもこれが作られた50年代初期には結構なスキャンダルだったんだ。ロシアのオペラはちょっとヒステリックかな。見る分には構わないけど、俺がやっていることには合わないな。

ワーグナーの楽曲に見られる、暖かさとロマンティックな感覚と壮大な音楽は、Therion にぴったりなんだ。同時にワーグナーの音楽には信じられないくらいの美の瞬間が、閉じ込められている。これはワーグナー以外の誰にも創造できるものではないんだ。他のオペラの作曲家にはないこの特別な感覚が俺の心に触れるんだ。

-  アルバムタイトル Lemuria とSiriusB はどういう意味ですか?

Lemuria はアトランティスのような、海底に沈んだ大陸のことなんだ。名前が2つあって、考古学的な見解からそれを研究している人たちは、これをムー大陸と呼んでいる。でも俺たちは俺の意見で、ムーではなくLemuriaを選んだんだ。こちの方が聞こえがいいからね。ムーはアトランティスよりずっと大きくて、ずっと早くに沈んだと言われている。アトランティスのように、技術的に進んだ大陸だと言われているね。このアルバムタイトルは、君が考えるほど難しいものではないんだよ。

Sirius Bの方が、もう少し現実離れしている。天文学からいえば、SiriusBはSiriusAの双子星で、SiriusAの周りを回っていて、一緒に輝いているから、肉眼では見ることができないんだ。また、俺が理解している限りでは望遠鏡を使っても難しく、シリウスAの動きから、二つ目の星、SiriusBがその周りを回っているのが判明したんだ。君が天文学に興味があるんだったら、この話は面白いだろう。 でも俺にとって興味深かったのは、アフリカ、マリ共和国のドゴン族が、我々が知るずっと以前からSiriusが双子星であることを知っていたことだ。彼らは望遠鏡なんて物をもたない、非常に原始的な生活をしているのに、どうやってこれ知りうることができたのか誰も説明できないんだ。しかも彼らによると、遠い昔SiriusBから来訪者があり、彼らの星についてと、恒星の仕組みについて伝えたという伝説があるんだ。

インターネットには、このお陰で、おかしな『UFO』サイトがいっぱいあるけど、俺個人は、宇宙を横切り、ここに訪れた人々がいたとか、特定のUFOみたいなものは信じてはいないんだ。そういうことは知らないし、あんまり話題になることもないしね。 俺は古代ダコン族のシャーマンが何か霊的なコンタクトをしてたんじゃないかと考えるね。宇宙との交信をね。そうして、恒星の仕組みや彼らについての情報を得たんじゃないかな。

-  前作の"Secret Of The Runes”は、北欧伝説のルーン文字の秘密や意味についての明確なコンセプトアルバムでした。しかし、今回の新作では、曲同士になんら関連が見出せませんが。このアルバムの歌詞には何かコンセプトや物語があるのでしょうか?

いや、何もないよ。これはコンセプトアルバムじゃないんだ。俺たちはただ、最も聞こえがいい2つの曲のタイトルを、アルバムタイトルに選んだだけなんだ。

歌詞は様々はテーマを扱っているよ。"Prometheus entfesselt"、 "An arrow from the Sun" "Typhon" などに見られるような古代北欧の叡智からバビロン神話、ギリシャ古典。"Kali Yuga" ではヒンズーの伝統をね。ヒンズー教では、俺たちは今、Kali Yuga、KALI の時代に生きていると言われているんあだ。これはとても腐敗した破壊の時代のことなんだ。今の世界がどうなっているか見回してみると、彼らが言っていることは、正しいって認めなくてはいけないね。彼らによると、KALIを崇拝すれば、彼女は喜んで車輪を回し、そして俺たちは新しい時代を迎えるそうだ。

それから"Melek Taus" はヤジーディー教徒の孔雀神についての曲だ。ヤジーディーはアラブの少数民族で、起源はイスラム教徒の悪魔崇拝者なんだ。彼らは、アラーはあまりにも遠い存在で、ヤジーディーの祈りは聞いてくれないと思い、サタンを崇拝したんだ。サタンは人間にとって身近な存在だし、友達でもあるからね。北欧神話で、人間に火や網など、多くの役に立つものを与えた、ロキみたいなものだよ。 そして、ヤジーディーは迫害され、アラブ文化圏で憎まれたんだ。サタンって言葉を発するのまで禁じられ、理論的にはその言葉を言うだけで死刑だったんだ。だから彼らはサタンの代わりにMelk Taus を崇拝し始め、それは今日まで続いている。だから、これは今もいきづく古代の伝統なんだ。

アルバムのテーマはとても多様だけど、ほとんどが神話や古代の叡智や伝統を扱ったものだね。

- Lemuriaの一番最後の曲、"Feuer Overture/Prometheus entfesselt" は、他の収録された曲と比べると、感じが違いますね。ラムシュタインを彷彿させる部分が少しあるのですが。何故、このような違った曲を収録したのですか?

実は俺たちは55曲書き上げてたんだ。で、その内30曲はレコーディングするのに十分な出来だと思ったんだ。だから実際には3枚分のマテリアルがあった。でも、3枚同時に製作するこごができなくってね。それに一枚作る度に、プロモートして、ツアーにでて、なんてやってたら、3枚目がリリースされるまでに、とんでもない時間がかかるだろう。その頃には、俺たちは新たな55曲を書き上げているだろうしね。だからベストなものを2枚のアルバムで今リリースすることにしたんだ。既に次のアルバムのマテリアルも用意できているよ。だからこれは3部作で、今回はその1部と2部なんだ。

全ての曲が出来上がった時に、俺たちはどの曲を、どのアルバムに収録するか決めなくてはいけなかった。で、俺たちは、一枚には最もプログレッシブな曲を集めたんだ。これは3枚目、次のアルバムになる予定だ。一つは、ヘビーメタルの色の強い、シンフォニックで、壮大で、メロディックなやつ。これが SiriusB だ。Lemuria は俺たちがレコーディングしたかった残りの曲を、集めたものなんだ。それで Lemuria は多様性を持ったものになったんだ。

"The dreams of Swedenborg"は部分的にジミー・ヘンドリックスの影響を受けているし、アルバムの中の2曲は、デスメタルのボーカルを含んでいる。"Three ships of Berik" は、中世のクラッシクのアレンジを取り入れているんだ。"Feuer Overture/Prometheus entfesselt" は実は、ライバッハの影響を受けているんだ。ほとんどの人たちが、ライバッハよりラムシュタインの方を良く知っているってことは判っているよ。でも、ラムシュタインもライバッハからの影響を受けているんだ。この曲は クリスティアン が書いたんだ。この曲をアルバムに収録するかどうかは、本当に迷ったけど、多様性の持ったアルバムには良いかなと思ったんだ。

- アルバムのレコーディングは9ヶ月に渡り、164名のミュージシャンとシンガー達との一緒の作業になりました。この作業は大変なものだったと思います。どのようにして、楽器やボーカルの適任者を探し出したんですか?

そうだね。オーケストラに関しては、指揮者と一緒に作業したからね。彼は全てのミュージシャンやシンガーの名簿を持っているんだ。オーケストラを使用する時は、指揮者が、楽器の適任者を一番良く知っているし、彼が連絡をつけて、皆を集めてくれる。だから俺達が164名のミュージシャンに電話したわけじゃないよ。他に、ソリストが何名か必要だったけど、俺達は "Secret Of The Runes" のレコーディングでスウェーデンの主要なソリストを知っていたからね。お互いのことも良く知っていたし。だから俺は彼らに誰か適任者がいないか聞く事ができたんだ。

バラライカ奏者を探すのはとても大変だったよ。スウェーデンのイエローページからロシアの民族楽器・バラライカの演奏家を探すことはできないだろう。でもインターネットから、何人か探し出すことができたんだ。彼らのことは知らなかったし、本当に演奏できるかも判らなかったけど。しかし、彼らはとても熱心だったし、実際にロシアでレッスンを受けているんだ。だからこれは大成功だったよ。マンドリンは俺達で演奏したんだ。俺は楽器屋に行って、何台か借りることにしたんだ。店を出る前に「あ、そうだ。ところで、これはどうやってチューニングするんですか?」って聞かなくてはいけなかったけどね。店のオーナーが、バイオリンと同じやり方でチューニングすると教えてくれたから、俺達はその通りにやったんだ。これはギタリストには、ちょっと不思議なやり方だったよ。でも、頭の中ではどのような音をだすか、明確にわかていたからね、すぐできたよ。KristianとJohanに一つづつ渡して、彼らのパートをどのようにして弾くか説明した。これはとてもシンプルなものだったから、レコーディングまでには時間はかからなかった。結構おもしろかったよ。この模様はビデオに収めているから、DVDを作るときには、収録することができる。

-  この2枚組みアルバムをレコーディングしてから数ヶ月経ちます。あなたは完璧主義者ですが、最近、振り返ってみて、レコーディング中に行ったやりかたではなく、もっと違った方法でできたな、と思う部分とかありますか?

それはいつものことだよ。俺達は本当に細部にまで注意を配っているし、完璧でないとみなしたものは、録り直しをしている。だけど、一つのアルバムを製作するときには、20年かけようが、完成したときには常に、何か違ったやり方でできたであろう細かな部分がでてくるんだ。常に物事は改善できるように、俺達のサウンドも各アルバムごとに進歩しているし、ミスを克服し、将来「OK、このアルバムはクールだ。でも、何かもっと良いやり方があったんじゃないか」って言われることも見通している。 このニューアルバムで、不満に思っているところはないね。でも常に何かうまくできただろうって部分はあるんだ。例えば "Theli" だけど、これの出来には俺は十分満足しているんだ。今でもね。でも、もっとよりよく出来たんじゃないかっていう意見は100万回聞いている。だからこのアルバムも今から10年後には、同じことを言われるだろう。

- このアルバムで一番難しかった箇所または曲は?

それは間違いなくパイプオルガンだね。最高の音を得る場所を探し出すのが大変だった。実際には、ふさわしい場所を探しだしたけどね。最終的にはミックスしなかったし、何のエフェクト装置も置かなかった。本当に響いた音をアルバムに取り入れたんだ。これは、多分プロデューサーにとっても難しいことだったと思う。彼はデンマークの有名なプロデューサーなんだけれど、パイプオルガンのレコーディングは、彼の通常の仕事とは違うからね。これが初めてだったんじゃないかな。だからこれは彼にとって、ちょっとした未知の領域を意味したんだ。それにオルガン奏者もレコーディングが始まるまで、一晩中、そこへは座っていたくなかったんだ。だから色々と大変だったよ。でも俺達は、レコーディングにふさわしい場所を意外と早く見つけることができたんだ。

それから、大人数のオーケストラのレコーディングも大変だったよ。なにしろ、大勢の人間が一斉に演奏するからね。すごいプレッシャーだった。もし一人でも間違えたら、全員が初めからやり直しだ。だからそこにはすごいプレッシャーがあったんだ。それにお金もかかったしね。俺は頭の中でキャッシュカウンターの金額がどんどんあがっていくのを感じたよ。

クラシック音楽

- あなたはクラッシク音楽とメタル音楽をミックスさせた、初めの一人ですが、何故メタルとクラッシクを関係づけようよ思ったのですか?

正直言うと、Therionを始めた当初は、特にクラッシクの影響は受けていなかったんだ。初めてメタル音楽とクラッシク音楽をミックスしたのは1981年の Manowar の "Battle Hymns" だろう。彼らはオペラの要素をある曲のバックで少し使ったんだ。だから彼らがこの手のことをやった初めてのバンドじゃないかな。それからCeltic Frostの "To Mega Therion" ではソプラノが少し使われたけど、次のアルバム"Into The Pandemonium"では、ソプラノ歌手とバイオリンとフレンチホルンのソロが使われた。だから Thomas Warrior がメタルで大規模に行った最初の人物だろう。全体的な考えは決して新しいものではなかったけどね。それは多くの70年代のバンドが、似たようなことをロックミュージックでやっていたって意味でね。でも俺は彼が「俺達もメタルでやれるんじゃないか」って思った最初の一人だと思うね。 彼は小さな規模で、少人数のソロ楽器を使っただけだど、ブルータルなメタルにクラッシク音楽を取り入れた最初の人物だと思う。特に、ブルータルな物がアンダーグランドで、人々がよりヘビーメタルを聴いてた80年代ではね。彼は当時かなり革新的なことをしたと思う。 バンドの初期時代は彼からの影響が大きかったよ。彼は俺に道を示してくれた一人なんだ。「おい、なんでこれをデスメタルでやらないんだ」ってね。

実際のところ、俺が一番影響を受けているのは "Theli" のサウンドで見られるような70年代のプログレッシブバンドなんだ。Celtic Frostなしで、このアイディアがあったかどうかは定かじゃないけれども、Celtic Frostが、"Cold Lake"の代わりに、この方向性でアルバムを作っていたら、こうなっていたんじゃないかっていう地点への自然な進展だと感じている。

それから"Electric Light Orchestra"のような、あまり知られていないクラシックの影響のあるバンドなんかを聞いて、俺は育ったんだ。 60年代のCat Stevensもそうだね。彼は典型的な60年代ポップスを作ったけど、彼の歌の中には常にオーケストラが上手に溶け込んでいる。あの頃は誰もが、ポップソングにオーケストラを使用し、それは別におかしな事でもなかったんだ。 70年代だとAbbaが、時々そうしたやり方をしていたね。それからBoney Mや他の70年代のディスコバンドも多くの弦楽器を使っていたよ。 弦楽器とポップ/ロックミュージックがミックスされた音楽を聞いて育った俺には、なんらおかしなことではなく、ほとんど自然に感じるくらいなんだ。 俺はメタルをクラッシクと融合するのを選んだんじゃなくって、ただ自然にこうなっただけなんだ。少なくとも俺はそう感じているよ。

- 私達は常にTherionをメタルバンドの視点で見ていますが、それとは逆に、クラッシク音楽シーンからあなた方を見てみましょう。クラッシクファンはTherionのアルバムを聞いているでしょうか?

勿論。数でいえば僅かな人数だと思うけど。でも多くのファンの両親はクラッシク音楽を聴いていて、Therionを聴いた時に「あら、いい曲じゃないの」って言ってるようなんだ。 初めの頃は、ファンに彼らの両親もファンだって言われて少し困惑したよ。でも今ではクールなことだと思っている。それに、可笑しいことに、こういう風に言ってくる多くのファンが、自分だけが親子でTherionファンだと思っているんだ。少なくとも、100人の母親と父親は俺達の音楽が好きだよ(笑) 彼らが俺達のアルバムを買っているとは思ってないけどね。子供がいない時にCDを借りたり、コピーしたりしているんだろうね。彼らの多くがアルバム自体を買うとは思えないよ。

俺達が、長年にわたって、セールス面で成功してきた理由の一つは、多くの層の人たちにアルバムを売ってきたことなんだ。 勿論、俺達の熱心なファンである、メタルファンはいつもその多数を占めている、でも、プログレッシブやゴシックが好きな人たちも買ってくれているからね。でもアルバム購入者の75%はメタルファンだよ。

- ここ最近のアルバムでは、生の楽器を使用していて、サンプルは使っていません。これには多くのアドバンテージがあると思います。しかし、全てに対して、本物の楽器を使うことは、何かしら不利な点もあるかと思います。何が最も欠点だと感じましたか?

時間と多額なコストがかかる以外は何もないよ。新しいアルバムではキーボードを一度だけ使っているけど、キーボードとして使ったんだ。何かの楽器の代わりじゃなくてね。"An arrow from the Sun" の最後で70年代のキーボードサウンドとして用いたよ。

- 全くメタルではないアルバムを作ろうと思ったことはありますか?

もし、それがクラッシクだけだったっら、Therion とは呼べないだろう?Therion はクラッシク音楽バンドじゃないからね。もしクラッシクの楽曲だけでアルバムを作るんだったら、Therion の名前ではリリースしないだろう。Christofer Johnsson 名義かなにかになるだろうね。実は、これは実際に考えていることなんだ。今、オペラを書いていてね、その内書き終わるといいと思っているんだけど。今から10年以内には、俺の初のオペラが完成するといいね。

でも、現実的になっていえば、Therionでやるべき事があるし、オペラを作るなら、それは最高のものでなくてはいけないんだ。何故なら、何処からと現れた奴が、自作のオペラを演奏してくれっていう訳にはいかないだろう。これは本当に大変な競争なんだ。あんまり、皆が考えない事かもしれないけど、俺はメタルシーンではまぁまぁ名が通っているけど、オペラ界では全くだからね。例えば、俺が有名なオペラ歌手で、その世界では知られた存在でも、メタルバンドをやろうとしたら、他の皆と同じように、底辺から始めなくてはいけない。有名なオペラ歌手ということは、何のアドバンテージにもならいんだよ。俺がオペラを書いていることにも同じことが言える。だから、本当に最高のオペラを作らなくてはいけないんだ。じゃないと、演奏してもらえるチャンスはないだろうからね。演奏するのが始めの一歩で、レコードになるのはその次だな。誰も演奏しなかったら、レコードにはならないだろうね。

- 全てのミュージシャンが、最新作は今までの中で最高傑作だと言いますが、何故 SiriusB と Lemuria も Therion のベストアルバムと言えるのでしょうか?

それは俺達が本当に真面目な姿勢を保っているからだろう。俺達は、前作より良いマテリアルが揃うまでスタジオ入りはしない。そして出来上がった物が、前作を上回るものでない限りスタジオを離れない。アルバムを売るために、最新アルバムは今までの中で最高の出来だと言うバンドもいるけれど、もし売り上げが低かったら、後になって「俺達のベストアルバムではなかった」とか言うんだろう。でも、俺がそんなことを言わないのは判ってもらえると思うよ。

"Secret Of The Runes" は何カ国でセールスが落ちたけど、前作の "Deggial" 良いと思わなければ作られなかっただろう。あの時点では"Secret Of The Runes"が、俺達の中のベストアルバムであることは間違いないよ。ドイツなんかでは売り上げが "Vovin" に比べて60%も落ちたけどね。

俺達は時間をかけることを許されているから、慌てて毎年アルバムを出したりはしないんだ。これは結果としては良い事だし、オーディエンスがすぐに飽きてしまうってこともない。この2枚のアルバムは9ヶ月かかったけど、何も「よし、スタジオで9ヶ月間作業をしよう」と言ってたわけじゃないんだ。ただ、始めてみて俺達が満足した時点で終了して、マスターテープをレコードレーべルに渡したんだ。前もってデモテープを渡すことはないよ。レーベルは俺達に前もって100,000ユーロを制作費としてくれる。で、製作が終わったら、マスターテープを彼らに渡す。俺はこのやり方でうまく行っていると思うし、このやり方はクオリティを維持できるんだ。多くのバンドは成功すると、自分達の望むことはなんでもできると思いこみ、この事を忘れてしまっていると思うね。俺は成功する前の日々を思い出すことは大事なことだと思っているし、自分の創作物に対して、心と魂を込めることをやめた日には、全てを失うという事を常に念頭においているよ。

ツアー

- 今年の終わりにはワールドツアーが始まりますか?そのツアーには楽器やクワイアで参加するミュージシャンがいるのでしょうか?それともサンプリングを使う予定ですか?

いつものように、6人のシンガーが一緒にツアーを周るよ。勿論、オーケストラを連れて回るのはムリだけどね。ツアーではデジタルトラックテープを代わりに使っている。これはキーボードや他のサンプラーなんかを使うよりずっと音がいいんだ。オーケストラのパートは、CDで聴くサウンドと少し違って聴こえるんだ。ミキシングしたものではなく、直接レコーディングした音を使っているからね。だからサウンドはもっとダイレクトに聞こえるはずだ。

- ツアーのオープニングアクトは決まっていますか?

南米とメキシコでは現地のバンドをサポートアクトとして使うつもりなんだ。サポートアクトを連れて現地を回るのはお金がかかるからね。 USツアーでは俺達がサポートアクトになると思う。俺達はあっちではヘッドライナーを努められるほど有名じゃないからね。まだヘッドライナーの確認はできてないよ。 ヨーロッパでは単独公演をするのをやめたんだ。俺達はむしろ、ジョイントツアーを好んだんだ。そうすると、俺達のファンじゃない人達も来ることになる。それらの人達を納得させる為にも一生懸命やらなくちゃいけないだろう。最高のライブでは何らかのプレッシャーがあるんだ。ジョイントツアーをするもう一つの理由は、俺達は全てのヨーロッパの国で成功しているわけじゃないからね。1998年にMoonspellとジョイントツアーをしたんだけど、俺達はフランス、スペイン、ポルトガルでは彼らが本当に必要だったし、彼らはドイツとオランダで俺達が必要だった。あれは良いコンビネーションだったし、ツアーも成功だった。だから俺達は何か似たようなものを、また期待しているんだ。

- ライブアルバムリリース後、2003年にDVDを発売するとの噂がありました。当時、このアイディアがあったのでしょうか?

DVDを発売するアイディアはあったよ。でも俺達が究極のDVDをリリ-スするにはマテリアルがないと感じたんだ。俺達がこれについて考え始めた時、あまりDVDを出すバンドはいなかったんだけど、今ではどのバンドでもリリースしている。俺達も何か特別なものを作りたいんだ。だから究極のDVDを出したいんだ。大人数のオーケストラと合唱隊をコンセプトしたメインDVDと、Wacken open Airで撮影したライブ映像や通常のライブ映像なんかのね。ビデオクリップも使えるし、もの凄い数のブートから使えそうな物もあるしね。本当に最高のものを作りたいと思っているよ!

この記事はVampire Magazineに掲載されたものを翻訳しました。